フラギイのメモ

Twitterで書き散らしたことを体系化しようとした。

仮面ライダーアギト感想:第9,10話

3人の物語を結ぶための布石が置かれた回。
この作品はミクロな人間模様が主というより(勿論それらも手を抜いてはいないが)、あかつき号という柱から発せられる刺激にそれぞれの3本のストーリーラインの登場人物が刺激を受ける形だ。

翔一
 地に足ついた生活をしながらも仙人然とした精神を持つ翔一。今回それが現れているのが農薬云々の行であろう。彼が無農薬農法の理由は「虫が食べる量なんてたかが知れてる」からである。そこに正しさや潔癖さといった理由は存在しない。恐らく彼は必要とあらばが虫を駆除することもいとわないだろう。彼にとってはなにかの理論を(半ば自分を形作るために)通すといったことをするまでもなく、その時々で思うように考えればいいことなのだ。
 そんな翔一でも過去を知るにはそれなりに同様。その後ホームセンターに寄ったのはいつもの自分のペースを取り戻すためか
アンノウンを感知したときの翔一はなにか本能や衝動に突き動かされてるように見えるが…。本人は「居場所を守るために戦う」とは一応言っているが根底の大部分はなにかに突き動かされてなのだろうか。警察に三浦智子の件を聞かれたときも答えないのは自分の過去を知る怖さや会えずに帰った後ろめたさだけでなく、アンノウンと戦うために呼ばれる感覚によって上の空だったからかもしれない。


氷川
 北條G3の活躍を素直に喜ぶ氷川。その純朴さもよいが今回はなんといってもG3システムを着ただけ者と仮面ライダーG3たる者の違いを見せたことだろう。
 実はこの話数までには意外にも氷川G3はそこまでたくさん出ているというわけではない。そこにあって、氷川でなければならないという点を、(北條の醜態という相対比較だけでなく)しっかり視聴者に印象付けられていたことだろう。
 河野刑事に付き合うラーメン屋のシーンも彼の人柄を表しているのようで微笑ましい。このときは店長もなると占いも影も形もない。あとあと拡がって行ったのだろう。ラーメン屋と高級料理でキャラの対比も効いている。
意外と氷川G3の出撃は少ない。
 今回はG3離脱という失態を犯してしまった北條だが知略面では冴えたところを見せている。小沢を分析して侮らない北條、陰口は叩かないし事実を踏まえた上で攻撃してくるあたり確かに根はいい人(?)なのだろう。アギトの捕獲も中々冴えた考えだ。我々視聴者にはヒーローだと認識されてるが、劇中視点ではアンノウンに呼応して現れる怪生物にすぎない。登場人物からはアギトはアンノウンを捕食しているだけかもしれない(人間を釣り餌にしてアンノウンを探し出しているとか)し、もしかしたらもっと複雑な生態があるかもしれないのだ。
それはそれとして、高級レストランにてあの空気の中、我関せずとパクパク食べる御室さん。ああ見えてG3チームに居られるだけの胆力はある


葦原
 とりあえず衰弱から回復した彼だが家に引きこもってしまった。考えてみればギルスとして戦うのは彼にとっては彼女を守るため、その後は戦う義務などないわけだ。しかも描写を見るとギルスのアンノウン感知能力は低い、もしくはまばらにしか作動しないためアギトやアンノウンの戦いを(他の市民と同程度にしか)知らないのだ。
 そんな彼だが父親が死んだという報を受ける(親の敵のように念入りに、またしても降りかかる災難)。身辺が苦難だらけにも関わらず手帳の謎を探るということにやる気を見せる。絶望的な様子だったトラック事故から立ち直ったことといいなにかに外部に打ち込む目標が彼の生き方には必要なのだろう。
 そういえば、翔一は勿論氷川もラーメン屋の風景から食事を通して人となりを描いているにも関わらず彼にはない。水泳部でまだ笑顔があったときにも、だ。これは意図的なのだろう。

アギト&アンノウン
 半ば強制的にギルスに変異し青年に挑むギルス。このとき青年の「珍しい」という台詞。ということはアギトは(少なくとも相対的には)珍しくない。アギトやギルスというのは個人名ではなく複数発生する種族名なのだろうか?翔一がなにかに引き寄せられるように戦う様子からアギトとは何らかの役割を種族のことなのか?

 北條G3、確かに強い。氷川よりもスタイリッシュかつ的確な銃撃力をしっかり表現されていたのはさすがといったところ。格闘面でも泥臭く組み付く氷川に対し鮮やかな投げ技で敵と距離を取るのも彼らしい。
 これまでのG3だと今回のように肉弾戦でタコ殴りにされた場合「機能停止寸前」とか「出力低下」といった状態が引き起こされていたが今回はなし。オクトパスロードの腕力が意外と弱いほうなのか、それとも火器が少しずつ進歩してるように装甲面も改良されているのだろうか…まあ、両方か。

 今回登場したオクトパスロード。再生能力もすごいが私が気になったのは顔にある嘴のようなディテール。タコやイカの牙は鋭く、その獰猛な形からカラストンビ、クチバシなどと呼ばれる。そこからデザインが来ているのだろうか。